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株式会社ニッポン手仕事図鑑 代表取締役 大牧圭吾
株式会社ニッポン手仕事図鑑 代表取締役 大牧圭吾

Interview 小さな勇気が、チャンスをつくる

小さな勇気が、チャンスをつくる
大牧圭吾

今でこそ、人形町という素敵な町の快適なオフィスビルでお仕事をさせていただいていますが、僕が入社した当初は古い雑居ビルの、たった7坪の小さな一室がオフィスでした。社員数も今は40名を超えていますが、僕が入社したときは、まだ5名。売上げも本当に小さく、3ヶ月ほど業績の悪い状況が続けば、「倒産」という文字さえもチラつく。投資をして、新しい事業をはじめようなんて、口が裂けても言えないような状況でした。

そんな中で、動画メディア「ニッポン手仕事図鑑」は生まれました。

僕はずっとコピーライターの仕事をやっていたので、いつかは「言葉」を届けていくメディアを立ち上げて、自分の両親が暮らしてきた、いわゆる“地方”と呼ばれる地域を元気にするお手伝いがしたいと考えていました。
しかし、地方に目を向ける機会が増えるたびに、地方の個性や魅力、活力や希望がなくなりつつある現状に、このまま日本はどうなってしまうのだろう…と、「恐怖心」とも言えるような感情が芽生えてきました。僕はそれぞれに違う個性、魅力がある集合体である日本が大好きです。そんな自分と同じように、自分の娘たちが「日本が大好き!」と、心から自信を持って言える国であり続けるために、微力であっても何か行動をしたい。そんな夢を、僕は5年前、代表の小林に語ったのです。

そのときは、ファストコムに入社することなどはまったく考えてなく、どこの会社に行けば、自分の夢は叶うのか? あるいは独立をしたほうがいいのか? そんなことを悶々と考えていたのですが、この話をしたとき、小林がこう言ってくれたのです。

「じゃ、一緒にやりましょうよ。ファストコムでその夢を叶えてください」

その言葉を聞いて、僕は条件反射的にファストコムへの入社を決めました。これほどまでに潔く、真っ直ぐな目で言える経営者はいないと思いましたし、だからこそ、ファストコムなら自分の夢を叶えられると感じたからです。

ただ、冒頭でもお話をしたように、現実はそんなことを言っていられるような状況ではありませんでした。
でも小林は、「夢を諦めて、まず売上げを…」とは言わなかった。本音を言えば、経営者は1円でも多く売上げを上げてほしいはず。ニッポン手仕事図鑑の活動をしている時間があったら、映像やWEB制作の仕事で稼いでほしかったに違いありません。それでも、僕の夢を応援してくれました。会社がつぶれるかもしれないという恐怖心を押し殺しながら、僕を信じて、そう言ってくれているのが伝わってきたからこそ、プレッシャーもありましたが、何とか期待に応えようと、僕も必死になりました。

それから3年。
本当にありがたいことに、「ニッポン手仕事図鑑」は全国の人に見てもらえるメディアになり、たくさんの職人さんたちに応援してもらえるメディアになりました。小林も日々言ってくれているように、ファストコムを象徴するようなメディアにもなりました。

まだまだ途上ではありますが、僕はファストコムで「ニッポン手仕事図鑑」を立ち上げられたことを、とても嬉しく思っています。それは、自分の夢を叶えるという意味だけでなく、ファストコムという会社に「この会社は、個人の夢を追っていいんだ!」「この会社には、個人の夢を実現した人がいるんだ!」という前例をつくれたからです。

ファストコムは、「やりたい!」と手を上げれば、ひとりひとりの夢を応援する会社です。ニッポン手仕事図鑑以降も、新しいサービスやプロジェクト、メディアが生まれています。そんな新しい一歩を踏み出すために必要なのは、小さな勇気を振り絞って、手を上げてみること。今、日々の仕事を頑張ってくれている社員にも、小さな勇気を振り絞って、自分の夢を追ってほしいと思いますし、これから入社する方が、しっかりと自分の夢を追える会社であり続けたいと考えています。
そして僕自身も、新たな夢に向かって、また一歩踏み出したいと考えています。

株式会社ニッポン手仕事図鑑 代表取締役
大牧圭吾